一昔前は、男性は外で働き、女性は家にいて家庭を守るというスタイルが良しとされていました。
ところが女性の社会進出が進んでいくにつれ、働く女性の数は増えて、今では共働きをしている家庭も少なくありません。
そんな中、「専業主婦になりたい」と思っている女性が増えているようです。
これはこれで夫婦のあり方の一つ。
素敵なことだと思います。
でもあなたはここで、「専業主婦になるためには旦那の年収はいくら必要なのだろう?」と気になりませんか。
あなたが専業主婦になれば、生活費は旦那の収入だけが頼りになるわけですからね。
というわけで、今回は専業主婦になるための必要な旦那の年収についてお伝えしていきます。
旦那の年収が多ければ多いほど妻は専業主婦になりやすいですが、仮に低い場合にはどうしたらよいのかということもお伝えしています。
なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
専業主婦になるためには旦那の年収はいくら必要?
専業主婦になることについては人それぞれに理由があると思いますが、景気が不安定な今、旦那一人だけの給料で生活は大丈夫ですか?
ここでは専業主婦でもOKな生活が出来る旦那の年収ボーダーラインや、旦那の理想の年収についてお伝えしていきます。
「私、専業主婦でも大丈夫?」と不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
専業主婦が可能な旦那の年収ボーダーライン
専業主婦になるための、旦那の年収ボーダーラインには個人差があるかと思いますが、大体500万程度がギリギリなのではないかと思われます。
というのも総務省の家計調査をもとに1ヶ月の生活費を計算すると、以下のようになるからです。
【2017年平均 全国・二人以上の世帯より】
2人 食費 64,730 光熱費 19,117 家具・家事用品 10,237 被服・履物 8,548 保険医療 13,914 交通 4,620 通信 10,033 諸雑費 22,753 合計 153,952
これに家賃や住宅ローンが入りますが、2人暮らしの賃貸では8万円台が多いです。
ということは、153,952円+80,000円=233,952円が1ヶ月に必要とされる生活費。
では、この233,952円の支出でもOKな年収といえば、どうなるでしょう。
年収には健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが入っています。
そのため計算ツールを使い、これらを外して計算します。
すると、233,952円以上の手取りが可能なのは、360万以上。
ただ、これはあくまでも夫婦2人だけで計算しましたので、子供が生まれるとこれだけで足りるはずはありません。
そうなればもう少し余裕を入れる必要がありますので、500万以上と考えることが妥当だと言えます。
さて、いかがでしょうか。
あなたが今後結婚を予定している彼氏または、あなたがすでに結婚をしているなら旦那の年収は500万以上ありますか。
もしあれば、これは専業主婦が可能な旦那の年収のボーダーライン以上ということになりますが……。
専業主婦になるために理想の旦那の年収
「理想の旦那の年収は?」と聞かれると、多ければ多いに決まっていますよね。
とはいえ旦那だって頑張って働き、稼いでいるのですからある程度の限界はあります。
なので、専業主婦になるための旦那の年収を具体的に頭の中に描かなければ、自分が理想とする年収は見つかりません。
ギリギリのボーダーラインは500万だということはすでにお伝えしましたが、ここには将来的にあってほしい貯蓄額や投資額が入っていませんでしたね。
そこで理想の年収を具体的に考えられるように、生活費をシミュレーションしてみました。
(ここではなるべく理想の生活費に近づけるように、テレビや書籍で知られるFPの横山光昭さんが推奨する家計の黄金比率でシミュレーションしています。)
そうすると年収700万、1000万という場合、以下のようになりました。
医療費や教育費、住居費などには、家庭ごとに大きな違いがある場合がありますね。
交通費だって、車を所有しているかいないかで変わってきますよね。
そのためこれはあくまでも参考にしていただきたいのですが、この生活レベルを考えるとあなたは旦那の年収のどのくらいを理想としますか?
項目 | 黄金比率(%) | 700万の年収の場合(円) | 1000万の年収の場合(円) |
---|---|---|---|
住居費 | 25 | 109,000 | 150,750 |
食費 | 15 | 65,400 | 90,450 |
水道光熱費 | 6 | 26,160 | 36,180 |
通信費 | 5 | 21,800 | 30,150 |
小遣い | 8 | 34,880 | 48,240 |
預貯金 | 18 | 78,480 | 108,540 |
生命保険料 | 4 | 17,440 | 24,120 |
日用品 | 2 | 8,720 | 12,060 |
医療費 | 1 | 4,360 | 6,030 |
教育費 | 4 | 17,440 | 24,120 |
交通費 | 2 | 8,720 | 12,060 |
被服費 | 2 | 8,720 | 12,060 |
交際費 | 2 | 8,720 | 12,060 |
娯楽費 | 2 | 8,720 | 12,060 |
嗜好品 | 1 | 4,360 | 6,030 |
その他 | 3 | 13,080 | 18,090 |
生活スタイル別の必要な世帯収入は?
各家庭には、それぞれの生活スタイルがありますが、その生活スタイルで必要な世帯収入というものも決まります。
ここでは様々な生活スタイル別の世帯収入について、お伝えしていきます。
あなたの生活スタイルはどうでしょう。
いろいろな事情があると思いますが、ここでお伝えしている生活スタイルがあなたの参考になれば嬉しいです。
地方在住の場合
地方在住の場合、専業主婦になるための必要な世帯収入は、すでにお伝えした旦那の年収ボーダーライン500万に、車の維持費やガソリン代を加えなければなりません。
なぜなら地方在住の場合、仕事に出かけるにしても買い物に行くにしても移動手段として車が必要なことが多いからです。
総務省の家計調査によれば、車の関係費として必要なのは21,062円という結果。
しかし、これには車検代や自動車保険代は含まれていません。
それに車には欠かせないガソリン代もです。
とはいえガソリン代の場合、移動時間や距離にもよりますね。
なので、一概にここでその必要支出額を出すことは難しいのですが、いずれにしても車にかかる経費はかなりキツイということが言えます。
また、地方在住となれば物価が意外に高いんです。
これは企業が少ないため、お互いの価格競争が無いからということが理由として挙げられます。
それに地方への運搬料がかかるということも物価が高い理由です。
さらに地方であれば、給与が高くありません。
実は私も今は地方在住なのでこれらの事情は分かりますが、車代、物価、給与とトータル的に考えると、結構かかります。
というわけなのですが、いずれにしても専業主婦が希望であれば、旦那の年収ボーダーライン500万は超える場合が多いのが現実です。
首都圏在住の場合
首都圏在住の場合、地方と比べると住居費が高いということを頭に入れなければなりません。
これは住む場所や部屋の大きさにより違いが出ますが、少なく見積もっても賃貸で多い8万円台より2~3万円は多い支出になるようです。
ということは、住居費の2~3万×12ヶ月+旦那の年収ボーダーライン500万=1年の必要世帯年収ということになります。
これは結構キツイですよね。
また、生鮮食品の価格が高いということも考えなければなりません。
大体の食料品は悲鳴が出るほどの高価格になるわけではありませんが、それでも積もり積もれば結構な金額にはなりますからね。
ただ一方で、車の関係費については費用がかからない場合があります。
それというのも首都圏は交通の便が良く、車が無ければ困るということが地方ほどありませんから。
そのため車を持たないという選択肢もあるんですね。
これは首都圏に住んでいる方は、「そうそう」なんて心当たりがあると思いますが、車を持ってその関係する費用を使う思いをすればどうでしょう。
住居費や食料品の方へ回せますので、専業主婦になる近道にもなりますよね。
子供が欲しい場合
子どもが欲しい場合には、世帯収入として旦那の年収ボーダーライン500万に、出産費用、子供の生活費、教育費などを足した金額が必要です。
可愛い赤ちゃんを授かると、結婚生活にはより幸福感が増しますね。
でもそこにかかるお金は大きいです。
例えば出産費用ですが、これは国民健康保険中央会の出産費用平均額によると505,759円。
つまり約50万は必要です。
そして成長していくと、そこには子供の衣服類、食費、生活用品代などがかかります。
それに教育費や習い事、塾の費用なども欠かせません。
これをもっと細かく見ていくと、内閣府のインターネットによる子育て費用による調査によれば、以下のようになります。
未就園児 | 843,225円 |
---|---|
保育所や幼稚園児 | 1,216,547円 |
小学生 | 1,153,541円 |
中学生 | 1,555,567円 |
そうして高校、専門学校や大学へと進学していくことを考えると……頭が痛くなりそうではありませんか。
とはいえどの家庭でもそうですが、我が子には他の人よりも良い教育を受けさせたいですね。
ということは、女性が専業主婦でいるためには、旦那にはかなり頑張ってもらわなければならないということになるわけです。
【参考】
マイホームが欲しい場合
マイホームが欲しい場合には、様々な諸経費がかかってきます。
なので、世帯収入として必要になるのは旦那の年収ボーダーライン500万に、その分の諸経費を足した金額が必要になります。
とはいえ、世帯年収はよほどのことが無い限り、急に上がるものではありませんよね。
ましてや女性が専業主婦であれば、金額的な負担は旦那の肩にドッカリかかってくるでしょう。
そのためマイホーム購入には、緻密な計画をしながら手に入れることが大切。
マイホームの購入に必要な金額は、住宅ローンの返済額だけではありませんからね。
まず購入の際にかかる様々な税金や手数料、購入住居の維持費も必要になるんです。
それにマイホームに合った家具の購入もすることになるでしょう。
そして毎月の金利を含めた住宅ローン。
とにかく大変ですよね。
私の知人にも専業主婦でマイホーム購入をした人がいましたが、結局途中でパートに出るようになりました。
この家庭の世帯収入は、決して低い方ではなかったんです。
それでもやはり生活がきつくなったようです。
というわけでマイホームが欲しい場合には、かなり高い旦那の年収が無い限りは専業主婦でいるのは難しいと言えます。
賃貸でOKの場合
住居が賃貸でOKの場合には、現状の世帯収入で無理をすることのない生活を送ることが可能です。
なので、専業主婦としていられる可能性は高い方法といえるでしょう。
何せ住宅ローンで決まっている返済額、固定資産税を気にしなくても良いのですから。
もし、今の世帯収入がキツイと感じるようであれば、旦那の年収ボーダーライン500万に合わせてそれなりの家賃のところに引っ越しをすれば良いし……。
とはいえ、将来的には家という資産がありませんので、住居を賃貸でOKと考えている方は貯蓄をしておく必要があります。
それに賃貸の場合には支払いに終わりが無く、延々と払い続けなければなりません。
私も今の住居は賃貸ですが、確かに税金やリフォームなどを考えなくても良いため気が楽です。
でも、よくよく考えてみると、家賃は気が付かないうちにマイホームを購入する金額と変わらなくなっているんです。
これは複雑な気持ちになります。
というわけで、住居を賃貸にするということは世帯収入に合わせやすいということがメリット。
ですが一方で将来的なことを考えると、悩むところでもあります。
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旦那の年収が低い時の対処法
旦那の年収が低いというのは妻もそうですが、旦那自身も淋しく悔しい思いをしているはず。
そのため「年収が低いよね」なんて、妻は口が裂けても言ってはいけません。
とはいえ、年収が低いと現実的には生活はキツイし、専業主婦にだってなることは難しい。
というわけで、ここでは旦那の年収が低い時の妻がやってみる対処法を挙げましたので、参考にしてください。
旦那に転職を勧める
頑張って働いているのに年収が上がらない。
これはもしかしたら会社の事情で、そもそもの給料が低いのかもしれません。
そんな時には他の会社への転職を考えてみることも一つの方法です。
転職サイトや雑誌などを利用して探すと、意外に良い転職先が見つかるかもしれませんよ。
私も転職をする際にはよく利用しましたが、改めて探してみると「今の会社って給料良くないんだな」と感じることは結構ありました。
ただ、この転職というのも旦那が今の会社にいて、将来的に年収が上がるという見込みがあるのであれば別です。
例えば新しく開業したばかりの会社であったり、旦那が友達と起業したばかり、ここ数年はたまたま業績が悪いけど本来は給料が良いなどと言う場合。
これらのような場合には焦って転職をしても、良い方向には進まないかもしれません。
なので、当面は節約で生活を乗り切り、旦那の仕事は現状維持ということが良いこともあります。
家計の節約をする
家計は固定費と変動費に分けられますが、節約をするためにまずは固定費の節約を心掛けましょう。
固定費とは住居費、保険料、通信費の基本料金などですが、これらを節約出来るようにすれば、家計の不足分を補うことが可能です。
まず住宅費ですが、マイホームを購入して住宅ローンを組んでいる場合、より金利の低い住宅ローンの借り換えを検討することが必要。
また、賃貸で可能であれば家賃交渉をしてみてはいかがでしょう。
それでなければ家賃の低いところへの引っ越しを考えることが大切です。
ちなみに私は家賃交渉が難しかったため、家賃が少しでも低いところへと考え、1万安いところに引っ越しをしました。
目先のことを考えれば引っ越し費用は掛かります。
でも長い目で見ると1年で12万の節約になるんです。
これは大きいと思いませんか?
さて、次に保険ですがこれは保障内容を確認して現状に適切でなければ減額や解約、保険の種類の見直しなどを考えてはいかがでしょう。
または保険会社の乗り換えをして見直しをするという方法もあります。
保険料の削減としてはかなり効果的ですよ。
あと通信費ですが、これはプランの見直しが出来るようであれば検討してみましょう。
私は削れるだけ削って今は自分にとって本当に必要なものだけしかありませんので、結構な費用削減になっています。
またプランの見直し以外でいえば、格安スマホやSIMへの変更も節約の対象になります。
月に2,000円ほどの削減が可能なこともありますので検討してみる価値はありますよ。
こうして固定費の節約が出来れば、あとは変動費の節約です。
変動費には食費、光熱費の使用、日用品、被服費、娯楽費などがあります。
これらは生活に支障がない程度、可能な限り削っていけば、かなりの節約になるのではないでしょうか。
この節約については専業主婦の腕の見せ所にもなると思います。
なので、旦那の年収が低いときの妻がやってみる対処法として様々な工夫を凝らしてみることに挑戦してみてください。
夫婦で働く
専業主婦希望とはいえ、旦那の年収が理想よりも低い場合、アルバイトやパートで働くという選択肢も外せないでしょう。
専業主婦は家の中での仕事が山積みで、決して楽な身分ではありません。
そのため家を十分に守り、しっかりと家事をやることを考えると、それだけに集中したいという人も少なくないと思います。
でも、今現在の生活を考えて、その生活に見合う世帯収入でなければどうでしょう。
旦那に協力してもらい家の仕事を振り分けて、アルバイトやパートで働く必要があるのではないでしょうか。
そうすれば、不足分の世帯収入を増やせる可能性が高くなりますよね。
私の知人も専業主婦だったのですが、家計のためにとパン屋さんにパートに行った人がいます。
時には売れ残りのパンをもらったりして、「とても良いパート先だった」なんて喜んでいましたが、実際パート代+αになるパート先、アルバイト先があるんです。
なので、旦那の年収が理想よりも低い場合、夫婦で働くということも試してみてください。
そうして将来的に旦那の年収が増えていけば、専業主婦に戻ればよいのですからね。
まとめ
ここまで専業主婦になるための旦那の年収についてお伝えしてきましたが、あなたの旦那の年収はいかがでしょうか。
年収を考えて「大変!」と思うでしょうか、それとも「余裕!」と思うでしょうか。
いずれにしても、専業主婦になるためには実は旦那だけではなく、夫婦で力を合わせて二人三脚で頑張っていかなければなりません。
そのためもし旦那の年収が低い場合には、ぜひここでご紹介した対処法を参考にしてみてください。
そうすれば、あなたも専業主婦として家を守るという家庭の形が出来上がると思いますよ。